スタッフが思いつくままに書き綴った駄文集です。
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開発環境
このサイトを開設した当時、私の開発環境の中心はWindows 98SEでした。手になじむテキストエディタがなく、DOS窓を開いてはEDITでゴリゴリとコーディングしていたものです。あれから3年。気がつけばWindows 2000をすっ飛ばしてWindows XPで作業をしています。EDITが使えなくなってどうしたかと言えば、素直にIDE(Integrated Development Environment; 統合開発環境)でコーディングしていたりします。もっぱらVisual StudioとEclipseを使っていて、いわゆるテキストエディタを使う機会は減ってきました。このサイトですらEclipseベースのWebSphere Studioで管理しています。フラストレーションがないわけではありませんが、それ以上にIDEの機能が便利なので、今ではすっかりIDEが手放せなくなりました。何事も慣れてしまうとなかなか後戻り出来ないものです。現実問題として戻りようがありませんが…。
さて、IDEを使うことでソフトウェア開発が格段に楽になるかというと、それほどでもなかったりします。ソフトウェア開発においてコーディングはその一部でしかなく、それ以外の工程にもそれなりの手間がかかります。要求定義に始まって、設計、実装、テスト、そしてこれらの流れを支える方法論、どれを取っても本が何冊も書けるほど奥の深いものです。とはいえ、次期Visual Studioの製品構成にも象徴されるように、IDEが適用できる工程はどんどん広がっているようです。UMLの普及でモデル駆動型アーキテクチャ(MDA; Model Driven Architecture)という考え方も定着しつつあるようですし、xUnitなどテスト環境にも事実上の標準と言えるような環境が整ってきました。
しかし、それでもなお、ソフトウェア開発は難しい作業です。技術の進歩、開発ツールの発展で楽になった分、それを上回るような要求が出てきます。また、ソフトウェア開発には非常に人間くさい問題が付いて回ります。ソフトウェア開発の分野ではまだまだ「エンジニアリング」が確立していないという意見も耳にします。学問上はそれなりの研究が進んでいるのでしょうけど、現実の開発現場では、根性や忍耐を強いるスケジューリング、汎用機時代の管理手法など、古い体質がいまだに残っているように感じます。時代の最先端であるかのように言われるこの分野も、その舞台裏はそれほど進歩していないのが実情かもしれません。まぁ、育ってきた環境によって感じ方は様々でしょうけど…。
ああ、今年は一度も海に行けなかった…。 | 2005年10月08日 | 植田 |