雑記帳 2006年

スタッフが思いつくままに書き綴った駄文集です。

2006年 2005年 2004年 2003年 2002年

コミュニケーション

残念ながら、私はパソコン通信の時代を知りません。いろいろ噂は耳にしていて興味は持っていましたが、当時の私にはアクセス手段がありませんでした。パソコンを持つなんて経済的に無理でしたし、維持費を賄えるほどの収入もなく、雑誌や専門書を眺めてはイメージトレーニング(?)に明け暮れていました。もう10年早く生まれていれば黎明期の面白い時代を過ごせたろうにと思うことがよくあります。

さて、それはともかく、気がつけばすでにインターネットが普及し始めていました。その後の爆発的な発展には目を見張るものがあります。今でこそ当たり前のようにメールを交換していますが、インターネットの発展がなければ当事務所も存在し得なかったでしょう。しかも、ここ数年、コミュニケーションのスタイルがさらに多様化しています。双方向性のあるものをいくつかピックアップしてみると ――

電子メールパソコンだけでなく携帯電話からも手軽に送れるようになり、すっかり日常的なコミュニケーションのスタイルとして定着しています。かつてBill Gates氏がこれからは電子メールの時代だと発言した際、何を今さらという反応が一部にありました。彼の主張が正しかったのかどうか私には判断できませんが、電子メールは廃れることなく社会に浸透しています。

MLMailing Listメールマガジンのような一方通行のMLもありますが、多くの参加者が電子メールを使って意見交換できる便利なシステムです。当事務所ではプロジェクトごとに専用のMLを開設しており、お客様とのコミュニケーションは主にこれを利用しています。一部のメールソフトに相性の問題があって扱いにくい面もありますが、MLの利便性は他には代えられません。

BBSBulletin Board SystemCGI(Common Gateway Interface)のいろはに必ずと言っていいほど出てくる、いわゆる電子掲示板です。電子会議室としても知られています。参加者が自由に投稿でき、意見交換の流れを閲覧できる、シンプルなシステムです。インターネットが一般に知られるようになった頃は、WWW(World Wide Web)やチャットと並ぶ、サービスプロバイダの基本サービスでした。その原型はパソコン通信の時代からあったようで、今となっては目新しいものではなくなりましたが、画像を添付できたり、クールなレイアウトで表示できたり、様々な工夫が凝らされています。

チャット強いて日本語で表すと電子筆談といったところでしょうか。多くの参加者がリアルタイムで会話できるシステムです。現在のチャットはCGIなどを利用したWWWベースのものが主流ですが、これもパソコン通信のサービスとして古い歴史があるようです。最近ではIRC(Internet Relay Chat)というシステムも登場しています。
実はつい最近までチャットに参加したことはありませんでした。先日、ある企画でオープンチャットが開催され、そこで初めてチャットに参加しました。5時間以上の長丁場で、タイピングの遅い私は会話についていくのに苦労しましたが、実に楽しい時間を過ごせました。今さらながらにチャットの魅力を知りました。

ブログ某女性タレントが「ブログの女王」と呼ばれるなど、今もっともホットなコミュニケーションのスタイルです。その定義はあいまいですが、代表的なシステムとしてMovable Typeがあります。また、mixiなど、SNS(Social Networking Site)のサービスとしてブログを提供しているところもあります。基本的にはWWWベースのシステムですが、ページのレイアウトに一定のフォーマットを与え、簡単に記事を更新できるようになっています。また、読者が記事にコメントをつけられるので、BBS的な機能も持っています。さらに、トラックバックという機構によって、他人の記事に自分の記事への逆リンクを追加でき、このつながりが新たなコミュニティを形成しています。
昨年1年間、私はあるTV番組のファンのブログを徘徊していました。番組が回を重ねるごとにコミュニティは大きくなり、熱心な人たちはお互いにブログを通じて親交を深めていたようです。正直なところ、ブログが持つそのダイナミックさには驚かされました。

SkypeP2P(Peer to Peer)技術を応用した音声通話システムです。最大5人までの同時通話、テキストによるチャット、ファイル転送機能があるようです。以前、お客様との打ち合わせのために用意はしたのですが、そのときは結局使わないままでした。なかなか面白そうなシステムなので、機会があれば是非試してみたいものです。

IP電話簡単に言えば、電話回線をIPネットワークに置き換えようというものです。SkypeがP2P技術をベースにしているのに対し、IP電話は中央にサーバーを構えます。インターネット電話もIP電話の一種ですが、IPネットワークにベストエフォート型のインターネット回線を使うものを指すようです。今のところ、当事務所には縁がなさそうです。

ほかにも私の知らないものがあるかもしれませんし、今後も新しいコミュニケーションのスタイルが登場するでしょう。技術的なことはともかくとして、アイデアを現実のものに変えていくバイタリティあふれる人たちがいつの時代にもいるのだと改めて思い知らされます。ましてやインターネットでは瞬く間に世界中に広まります。まさに「やったもん勝ち」ですね。

あっという間に2月が逃げていった…。 2006年03月02日 植田